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麻布団 石田屋・石川県金沢市
綿から側生地に至るまで、冷涼感に富む麻で誂える
日本の最初の織物素材とされる麻。
綿織物が普及する江戸末期以前は、四季を通じて用いられ、その後も夏に欠かせない織物とされてきた。
体から熱をとり、汗を吸収して発散する麻は冷涼感に富み快適に夏を過ごすことができる。
麻の冷涼感は寝具にこそ生かしたい。
麻布団には側生地が麻で、中は木綿のわたの布団もある。
それでも冷涼感は得られるが、麻の特性をより生かすために側生地、わたともに麻で誂えたいものだ。
その思いを叶えてくれるのが、大正12年創業の『石田屋』だ。
近年少なくなっている、側生地、わたともに麻100%の布団を手作りで仕立てている。
「お店にある生地から、お好きなものを選んでいただいて、サイズとわたの量を伺った上で、誂えています。
カバー類も仕立てます」
誂えの布団を仕立てるのは、田中さんの母親・壽子さんだ。
壽子さんは布団を仕立てるようになって、51年を数える。
「薄く仕立てる麻布団は、わたが寄りやすいので、側生地とわたを綴じる房の数を多くします。
わたは気温や湿度が変わると状態が違ってきますから、糸の締め方など加減しながら作業を進めています」
石田屋の手作り布団は、隅々にまできちんとわたが入っていて、仕立てがしっかりしている。
敷布団はつぶれやすい中央部分にわたを多めに入れるなど、体圧を考慮してしたててあるため、へたりにくい。
国内外の上質な麻織物を用意
麻布団を誂える際に選ぶ生地の種類も豊富である。
小千谷縮や近江縮をはじめとする日本の伝統的麻織物、欧州でもっとも上質な麻織物と賞されるアイリッシュ・リネンやイタリアン・リネン。国内外の代表的な麻織物を揃えている。
田中さんは国内はもとより、海外の織り元も訪ねている。
染めや織りの工程までみて、より質の高い織物を提供したいからだ。
「寝具の生地は感触が一番大切です。
目を閉じて肌触りを確かめ、もっとも心地よく感じられるものなら、間違いないと思います。」
石田屋の麻布団で夏を迎える旅館『あらや滔々庵』
山代温泉では6月4日と5日に、初夏を告げる菖蒲湯まつりが開催されます。
お客様にはそれに合わせて、麻布団をお出しするようにしています。
さわっとした麻布団は、涼しいだけでなく、夏らしい情緒も伝えてくれる寝具です。
(「サライ」2004年15号記事本文中より抜粋)
| 石川県・山代温泉の旅館『あらや滔々庵』の夏用の麻布団。蒸し暑い夏の夜も快適で涼やかな眠りをもたらしてくれる。 (記事本文中より抜粋) あらや滔々庵HP http://www.araya-totoan.com/ |
| 左上の写真 20年ほど前に、麻をわたに加工する技術が確立された。金沢の石田屋では、手作りで麻布団を仕立てている。 (記事本文中より抜粋) 石田屋三代目の母、田中壽子が麻布団を仕立てている様子です。 |
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