年に数回、欧州に足を運ぶ。行き先は、世界中から良質な羽毛が集められるドイツ。職人文化のドイツでは、羽毛選びにも一切の妥協を許さない。フランクフルトで開かれる展示会には、欠かさず足を運んでいる。 「ドイツ人は職人気質だから、確かなものしか扱いません。費用が多少掛かっても、最高の材料を見つけることができます」。ビールの味も格別だ。
極上の寝具を
寝具業界では近年、中国産の羽毛を使った安価な商品に勢いが見られる。不況も重なり、安い商品に人気が集まるのだろうが、睡眠は健康な生活を送る上で欠かせないもの。やはり極上の寝具を提供したい。
ビッグよりもグッドに
「売り上げを重視して『ビッグ』を目指すのではなく、質にこだわる『グッド』を求めたいですね」。台所事情が苦しいからといって質を落としてしまえば、大正時代から続く看板を放棄するようなものだ。 最近、業界の若手を前にして話す機会が増えた。決まって言うことは「消費者のフィルター役になれ」ということだ。布団の良しあしは顧客の健康に直結する。仕入れ段階で商品を見分ける力がなければ、布団屋の存在意義にかかわるからだ。「良い羽毛を選ぶには、自分の目利きのレベルを上げるしかないのです」。
服にもこだわり
そういう思い出仕事をしてきたからか、自分で着る服にも当然こだわる。妻には選ばせない。白いシャツに蛍光色のカーディガンを背中には織るスタイルを好むため、社員から「(俳優の)石田純一のようですね」とも言われるが、好きな物は曲げたくない。 幸運なことに、ここ金沢は「目利き力」をはぐくむには最高の土地柄だと思う。連綿と受け継がれてきた歴史がある。料亭を見ても、料理の盛りつけ方、彩り、サービスなどが他地域に比べて洗練されている。文化レベルの高い金沢人の目にかなう寝具を提供し、最高の眠りを届けたい。
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