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▼石田屋との出逢いは?

私が主宰していた一般の方々へのセミナーに参加されてからのお付き合いです。最初のセミナー開催の2年前からご存知のようでしたが、今年参加されました。社員の方お二人といっしょに参加されたのを見て「本当に勉強をされに来た人だ」と直観しました。彼の意思の強固さや熱意が伝わってきましたから。私は学問の立場から、石田屋さんはご商売の立場から、同じ物を研究するわけですが、目の前の儲け話に汲々としている布団屋さんは、私のセミナーには来ないというのが率直なところで、石田屋さんはその全く反対でしたから、よけいに印象深かったのです。

今回は学会と石田屋との協同で、セミナーの第4回目を石川県で行うことができたのも、彼の飽くなき研究心と知らしめたいという旺盛な意欲によるところ大です。

 
 
 

  

横浜国立大学大学院教授
 
▼この世界に入られたきかっけは?

もともと私は制御工学(サイバネティクス)が専門で、基礎がしっかりしていれば応用範囲が広い学問ですから、人体の体温調節という制御システムをテーマに研究していました。横浜市立大学医学部の先生といっしょに研究するうちに、暖房とか防寒具とか住宅とか、体温に影響を与える生活環境系まで視野が広がって行ったんです。「人間生活環境系会議」という学会も設立しました。

そのうち、ある布団屋の社長さんから「布団は科学的なメスが全く入っていない品物なので、一度学究的に分析してほしい」という依頼が来て、会議で本格的に研究することになったのです。

最初は4200名の主婦にアンケートを採るところから始めました。「布団に何を望むか」という質問ですが、この調査結果から分析項目がいくつも出され、一つずつ試験機を作って、布団を科学的に実験し、性能の客観的な表示が出来るまでになりました。10年かかりましたね。

人間生活環境系という広い分野の研究も重要ですが、特に布団と睡眠を深く掘り下げるために、日本睡眠環境学会を設立したのです。

私の大学院での授業名は「人間環境調和論」と「睡眠環境論」です。

▼現在のテーマは?

布団の性能を科学的に検証し、客観的に表示する仕組みを確立しましたので、それを広めたいと思っています。どのくらい暖かいのか、どのくらい持つのか、どのくらい弾力性があるのか、などは消費者にとって重要なチェック項目であり、それを科学的裏付けで表示できる共通仕様を布団業界が持てば、業界も発展すると思っています。消費者と対話ができる数字や言葉が現にあるということですし、布団や睡眠へのやさしい知識も同時に広がって行けばいいと、願って活動しています。

 [2001年12月20日発行・季刊誌金澤No.20号]

少しでも布団業界の発展に役立てばと、共通の使命感を持つ二人。