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(東京在住)

東京ビッグサイトで99年に開催された「ライフスタイル展」のテキスタイルデザイン協会に出品した時、石田屋さんとの出逢いがありました。そのあと個展を催した時にも来ていただいて、それからビジネスのおつきあいが始まりました。

仕事を始めたのがアパレルメーカーでの服地デザインからで、その現場に在籍して経験を積むことができました。

92年に独立してからも生地作りを中心として仕事をしていましたが、しだいに生活関連の服地へと領域が広がって行ったのです。

もともと服地にしても着て心地良い、なじむものを志向していたので、生活空間においては、いっそう心地良く、体になじむ、秋の来ない素材を追求しました。

例えば、クッションチェアというアイテムがあります。ソファーやベッドの上ではクッションとして、床や畳の上では、足の疲れない座布団のような椅子として使える便利なものです。枕にしたり、座して目線を低く暮らせば、空間が広がり、場所も移動できるので、気軽に生活の変化を楽しむことができます。

 

そんな身近なものだけに、布地そのものの馴染みや心地良さをとことん求めなければなりません。色はオリジナルで無地にこだわり、カバーは丸洗いができるようにしました。

わたしたちは現実の生活で様々な布と同居していると言ってもよいほどなのに、その生活布に一番適したリネンという麻はまだ定着していません。機能がちゃんとしている、風合いがいい、味が使うほどに出てくる、そんな素材を基本にした生活アイテム。それらを利用して、コンセプトである「洋服と同じように着替える部屋」をそれぞれ人が自由なアイデアで、楽しみながら造ってほしいと思っています。

   

今後もいっそう、家の「居心地のよさ」に対する欲求は深まり、さらに、本質的に健康な空間造りへとこだわる人も増えることでしょう。

いつの時代でも、伝統的なよいものは見直し、今の素晴らしい技術をもって、自信の持てる物作りをしていきたいと思っています。

[2000年8月20日発行・季刊誌金澤No.12号]
 
 
●西田弘子プロフィール
オリジナル生地やそれを使った商品の企画・開発を手がける。アパレルメーカーで服地生産の経験を積み、99年にコレクションを発表。「生活に活かされる心地良い布」にこだわりを抱きながら、ライフスタイル全般に波及するアイテムも増えている。三越銀座店、石田屋、ラシックなどで取り扱われている。