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▼石田屋との出逢いは?

98年頃だったと思います。『DREAM』の編集企画の一つに、住まいの核である寝室に対して、時代感を持って積極的な関係をユーザーと築いている寝具屋さんを全国からピックアップし、紹介した時からお付き合いが始まりました。石田屋さんから『金澤』が送られて来て、寝具へのこだわりを知りました。以来、お目にかかる機会もたびたびで、つい先日はドイツに行く機内で偶然お会いしました。ハイムテキスタイルに参加されたと思いますが、いいものを世界中に求めているんだなと感じました。
  
 
▼この世界に入られたのは?


「生活の中で自分が気持ちいいと感じるもの」を伝えたい、あるいは同感の方々と握手をしたい、そんな気持ちが昂じてこの仕事を始めたのです。当時は、インテリアという言葉や概念がまだありませんでした。

仕事上、いろんな方々の生活を見ます。そこには自分とは違う生活のルールやスタイルがあります。人それぞれ育ってきた環境の違いもありますが、新しく市場に出回りはじめた生活用品が未体験のままとり入れられ、「人」と「物」と「場」が消化不良をおこしたインテリアも少なくなかったのです。その未体験の部分を少し早めに取材し、体験し、「この方が今は気持ちよいのでは」と伝えはじめたのが創刊当時の率直な気持ちです。現在も「今感じる気持ちよさ」を編集しつづけています。

インテリアとは、生活の結果のことであり、生活の結果のことであり、生活はその人の生き方、時間の過ごし方ですから、気持ちがいいという物差しは人それぞれで、その違いは生き方の違いの表れですよね。インテリアはそこまで人を映し出しています。
  

 
▼インテリアを深くお考えのようですね。


人の生き方が結果としてインテリアに映し出される、そこにはその時々の思考と判断が集積して見えます。判断する力は20歳までにインプットしたものが左右します。人は物と同様物体であり、花や動物と同じ生命体であり、記憶したり感じたりする感情体であり、自我を持って思考判断する構成体なのですが、行為の結果でしか物体以外の三つは見えません。感じる、思考する、楽しむ、喜ぶ、あるいは満足感や充実感などは、外からは見えません。それらがインテリアに表れてくるのです。

心地よい眠りと言っても受けとり方は人それぞれです。人それぞれのコミュニケーションを惜しまずていねいにこだわって、寝具屋寝室づくりを提案している石田屋さんと出会える金沢の方は豊かさを身近で実現できるチャンスをお持ちだと思います。
  

[2001年4月20日発行・季刊誌金澤No.16号]
 
 
 

●山本寿美子プロフィール:
新聞記者を経て、1964年月刊誌『DREAM』を創刊。「美しく心豊かに住まうために」を編集コンセプトに、インテリアのソフトを一貫して表現、提案し続け、今年37年目通巻425号を数えている。ショールームや店舗のインテリア設計、繊維インテリア素材の企画制作などのプロデュースも手がけている。

写真:石田屋三代目、田中和昭と名古屋市にて講演の折。