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皆さんよくご存知ですよね。「古きをたずねて新しきを知る」という言葉。芸術や学問の世界でよく使われますが、こんな片田舎の小さなふとん屋にも当てはまるからおもしろい。
昔の話をいたしましょう。といっても、ぼくが小学生の頃までのことですから、そんな大昔じゃない(はずだ)けどね。その頃まで、人と物はいい関係にありました。人は物を長く愛し、物も健気に人に応えてくれたものです。
「ふとん」もそう。大切に扱われていましたよ。特にお客様用のふとんは、桐の長持ちやふとん箪笥に後生大事に保管され、晴れた日にはソレッと天日干し。自分用のふとんは、2〜3年に1度生地を洗い張りし、中綿は打ち直して再利用。
枕なんかも、好みによって中に小豆を入れる人、そば殻を入れる人、パンヤ綿を入れる人……それぞれが自分流に作っていました。これがホントのMyマクラですね。そうやって手をかけた寝具にはおのずと愛着がわき、さらに手入れをして長く使ったのです。
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田中和昭、幼少の頃...
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ところがどうでしょう、現代人はふとんを使い捨てのものと考えているようじゃないですか。お手入れもしないし、関心もはらわない。こんなふうになったのは昭和40年代頃からです。化学製品の普及が日本人の暮らし方を大きく変え、人々は新しい方向ばっかり見るようになったんですね。
そんな中で石田屋は、かたくなに古くさかった。「物を大事にするのがなんで悪い!」とばかりに、打ち直しや張り替えを淡々と続行。店が新しくなっても、製綿所は決してお払い箱にはならず、何枚ものふとんを再生してきました。そして、お客様の注文を受けてつくる商品はすべて自家縫製と自家製造。つまり「リフォーム」と「カスタマイズ」「オールオーダーメイド」という流行の横文字仕事を、昔っから変わらずにやっているのです。
石田屋が古くから温めてきた精神が、ふと気付けば何やら新しい。
温故知新――
片田舎のふとん屋の理念は、21世紀にも通用すると思っています。
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