農薬や化学肥料を使わない真実のオーガニックコットン

お布団の基本素材のひとつである「綿」。
わたしたちにとって身近な素材のひとつですが、実は一般的には殺虫剤や化学肥料などの農薬がたっぷり使われており、
収穫時には大量の枯れ葉剤を散布しているというのが事実なのです。

石田屋は、綿は綿でも「オーガニックコットン」にとことんこだわります。
石田屋三代目・現会長の田中和昭のオーガニックコットンとの出会いをご紹介します。

オーガニックコットンに出会うまで

父が身をもって教えてくれた 農薬と枯葉剤で作られた "綿(わた)"の怖さ

今日では無農薬野菜に興味がある方が増えてきていますが、身に付ける衣類のオーガニックには関心が低いのが現状です。
石田屋は長い間、綿屋としてふとんを作ってきましたが、1992年の夏、ふとん作りをしていた父が身体を壊して入院したのです。
それまでもよく「目がチクチクする」「舌がヒリヒリする」などと言っていましたので、
私は工場で使う綿に含まれる防ダニの化学薬品が原因の一つではないかと思っていました。
父は綿の埃も吸うし、また手は荒れており、薬品加工された綿は身体にはよくないのでは?と何年も前から感じていました。

 

そこで薬品加工された綿ではなく、オゾン殺菌をした綿を使い始めてみましたが、やはり変化がありませんでした。
ちょうどその頃、父が入院するという現実に直面しました。
そこで私は今度こそ身体に安全な綿を探す決心をしたのです。そんな時、ある本を読みました。
そこには綿は大量の農薬を使い育てられ、収穫を楽にするために枯葉剤を撒いていると書いてあったのです。

アメリカ・テキサス州のオーガニックファームへ

もう安全な綿は存在しないのか…
私の無知で父の身体がむしばまれていたなんて、とてもショックでした。

 

安全な綿探しは父の身体を守ることにもなる!そしてもちろん多くの方にも喜んでいただける!と確信し、知人のつてをたどり1998年10月、アメリカ・テキサス州のオーガニックファームへ行きました。
アメリカの農務省でオーガニック農家として認定されている、23の農家の方々といろいろ話し合いました。そこで、枯葉剤を撒かないオーガニックコットンの収穫は、綿ができても葉が自然に枯れるまでの3ヶ月以上放って置かなければならなく、できた綿の3割は捨てることになることを知りました。
テキサス農務省に行くなどして、本物の綿を仕入れることに全力を尽くしました。

 

こうして石田屋は、日本で初めてオーガニックコットンのふとん綿の生産を始めたのです。
石田屋ではふとん綿・シーツ類・枕カバーなど、オーガニックコットンの製品を数多く取り扱っております。
私は、安全で質の良いコットンを多くの方々にお勧めする使命感を感じています。

テキサス・オーガニックコットン

人と地球にやさしいコットンが生まれています

農薬や科学肥料を使用せずに、自然のサイクルに逆らわない方法で育てられているコットンがあります。
その農場があるのはアメリカ・テキサス州。有機農法で栽培された無農薬のコットン、それが「テキサス・オーガニックコットン」です。
テキサス州農務省は、世界に先駆けてオーガニックコットンのために基準を制定しました。
この厳しい基準をクリアしたコットンだけに、認定マークがつけられます。
このシステムは一重に、オーガニックコットンの信頼性を守るためのものです。


テキサス・オーガニック コットンの証

1. 農薬や化学肥料が残留していない畑で、有機農法で栽培されること。
2. 生産されたコットンの数量、行き先がすべての段階で把握されていること。
3. 製造工程においても環境にやさしい方法を選ぶこと。

テキサス・オーガニック コットンの証

この基準を満たして初めて、形だけでない真実のオーガニックコットンと呼べると私たちは考えています。

地球の大地を救うためのオーガニック農法

有機肥料作りのためにテキサス州では、牛を飼うことから始めました。
農薬を使わないと決めたとき、大切なことは土地を傷めない肥料の開発でした。
テキサス州はその原料を、州のもうひとつの重要な産業である牛に決めました。
害虫駆除には、害虫の天敵テントウムシが活躍します。 テントウムシはコットンにつく害虫を駆除します。
大量のテントウムシをコットン畑に放すことで、殺虫剤は使わなくてもよくなったのです。
トウモロコシ畑はテントウムシの住まいです。 コットンより成長が早くて甘い、トウモロコシやマローと呼ばれる雑穀類を植えて害虫を呼び寄せ、またテントウムシを増やします。 コットンの花が咲く頃、テントウムシはコットンについた害虫めがけて移動するのです。
トウモロコシやマローは役目を終えると、牛の飼料や有機肥料の材料にまわされます。 テキサスのオーガニックコットン畑では、自然の輪廻がみごとに働くのです。

「土地は神からの授かり物。大切に子孫に伝えるのが、私たちの務め」

これが誇り高いテキサスの農民の精神であり、私たちが共感するところです。
「地球倶楽部」は、そうした自然との関わりを改めて見直し 新しい関係を築いていこうと志す人たちの合言葉なのです。

オーガニックコットン探訪記
(1998.10.22~10.25)

記念すべきテキサス・オーガニックコットンとの出会い。
石田屋三代目・現会長の田中和昭がオーガニックコットンを求めて、初めてテキサスの農場を訪れたときの様子です。